水槽で魚を飼育していると、水が白く濁ってしまうことがあります。
これは水槽の白濁りと呼ばれる現象で、魚にとってはストレスや病気の原因になります。
では、これはどうして起こるのでしょうか?また、なくすにはどうしたらいいのでしょうか?
今回は、水槽の白濁りによる魚への影響と、その原因と対策を調べたことシェアします。
水槽の白濁りによる魚への影響
水槽の白濁りは、水中に細菌や藻類が増殖していることを示しています。
細菌や藻類等の微生物は、水中の有機物や窒素化合物を分解する役割を果たしますが、過剰に増えると水質を悪化させ、魚は以下のような悪影響を受けます。
呼吸困難
水中の溶存酸素が減少し、魚が呼吸しにくくなります。
そのため魚は水面に浮かんだり、口をパクパクさせたりすることになり、魚に多くのストレスを与えます。
免疫力低下
水中の有害物質が魚の体内に入り込み、免疫力を低下させます。
そのため、魚は病気にかかりやすくなってしまいます。
色あせ
水中の細菌や藻類が魚の体表に付着し、色素を奪います。
色素が奪われ、せっかくのキレイな色の魚も色あせてしまいます。
水槽の白濁りの原因は何?
主に考えられる白濁りの理由は以下の4つです。
新設水槽
新しく水槽を設置した場合や水換えをした直後は、水中に有機物や窒素化合物が多く含まれています。
これらの物質を分解する細菌が増殖し、白濁りを引き起こします。この場合は、時間が経つと細菌が安定し、白濁りは自然に消えます。
過剰給餌
魚に与えるエサが多すぎると、食べ残されたエサが水中に溜まります。
これらのエサは有機物や窒素化合物となり、細菌や藻類のエサになります。
エサが少ないとかわいそうだと感じ、つい食べ残す程のエサを与えてしまうかもしれませんが、過剰にエサを与えることは返って魚のストレスを上げることになります。
過密飼育
魚が多すぎると、魚自体が排出する有機物や窒素化合物が増えます。また密集することによる魚同士のストレスも高まります。
砂利や土などの不純物
これらも、水を白く濁らせる原因です。これらの物質は水中に浮遊することで光を反射し、水を白く見せます。
また、これらの物質は水質を悪化させることもあります。例えば、砂利や土には鉄分や硫黄分などの成分が含まれている場合があります。これらの成分は水中で溶け出すと、水のpHや硬度を変化させたり、水中の酸素を消費したりします。
水槽の白濁りを除去解消する対策
水槽の白濁りをなくすには、以下のような工夫をしていくことが有効です。
水換えをする
水換えは、水中の有機物や窒素化合物を減らす効果があります。
水換えの頻度や量は、水槽の状態や魚の種類によって異なりますが、一般的には、週に1回程度、一度に水の10~20%程度を目安にすると良いと言われています。
水換えの際には、新しい水に塩素が含まれていないことや、水温やpHなどが水槽内と同じであることに注意してあげましょう。
エサやりを控える
余ったエサは、水質を悪化させる原因になることは上記の通りです。エサやりを控えることで、水中の窒素化合物や有機物を減らすことができます。
エサは魚の健康や成長に影響しますが、5分以内に食べきれる量で充分です。食べ残されたエサは取り除きましょう。
エサの種類や質にも注意します。高品質なエサは、消化率が高く、水質に与える負担が少なくなります。魚の好みや栄養バランスに合わせて選びましょう。
適切なろ過装置の使用
ろ過装置は、水中の有機物や窒素化合物を取り除く役割を果たします。
ろ過装置は、定期的に清掃や交換を行って、効果を維持しましょう。また、ろ過装置の種類も、水槽の大きさや魚の数に合わせて選ぶようにしましょう。
水槽に適した魚の数を守る
水槽に適した魚の数を守ることで、水質の負担を減らすことができます。
魚の数は、水槽の大きさやろ過能力に応じて決めましょう。
一般的には、1リットルあたり1cm以下の魚が1匹程度が目安です。
また、魚同士の相性も考慮して、仲良く暮らせるようにしましょう。
水槽に適した植物を入れる
水槽に適した植物(水草やコケ)を入れると、水中の有機物やCO2を吸収して酸素を放出することで、水質を浄化します。
水質が改善されると、美観の向上に役立ちます。
植物は、光合成によって二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。これによって水中の酸素量が増え、魚に良い影響を与えるのです。
また、植物は栄養塩類を吸収して成長します。そのことで藻類の発生を抑えることができます。
さらに、植物は水槽内で隠れ場所や産卵場所などを提供します。これによって、魚のストレスを軽減することができます。
水草やコケは自分の好みに合わせて選びましょう。ただ、初心者におすすめなのは、育てやすく丈夫なものです。例えば、ミクロソリウム(ジャワフェルン)、アヌビアス、モス(コケ)などが挙げられます。
魚の管理
魚の数は、水量やろ過能力に合わせて調整します。魚同士の相性や生息環境にも配慮しましょう。
また、魚の健康状態にも注意し、病気や怪我がないか定期的にチェックします。
水槽の白濁りを予防してより透明度を上げるためにできること
水槽の白濁りを解消させ、水槽の透明度をより上げたいと思った時には、以下の方法を試してみましょう。
活性炭の使用
活性炭は、水中の有機物や色素などを吸着する能力があります。
そのため、活性炭をろ過システムに追加することで、水槽の透明度を高めることができます。ただし、活性炭は吸着力が飽和すると効果がなくなるため、定期的に交換する必要があります。
紫外線殺菌器の使用
紫外線殺菌器は、紫外線を利用して水中の細菌や藻類を殺菌する装置です。
この装置をろ過システムに組み込むことで、白濁りの原因となる微生物を減らし、水槽の透明度を高めることができます。
ただし、紫外線殺菌器は魚や水草にも影響を与える可能性があるため、使用量や時間に注意する必要があります。
浮遊物除去剤の使用
浮遊物除去剤は、水中の微細な固形物を凝集させて沈降させる薬剤です。
浮遊物除去剤を水槽に添加することで、白濁りの原因となる浮遊物を除去し、水槽の透明度を高めることができます。
ただし、浮遊物除去剤は有益なバクテリアやプランクトンも凝集させる可能性があることを覚えておきましょう。
水質改善剤や薬品の使用
水質改善剤や薬品は、水中のバクテリアや有機物を分解したり、不純物を凝集させて沈殿させたりする効果があります。
市販されているものは多種多様ですが、使用する前に必ず説明書を読んで、用法用量を守りましょう。
また、水質改善剤や薬品はあくまで一時的な対策であり、根本的な解決にはなりません。
白濁りの原因を見つけて改善することが重要です。
クリアボトルやクリアボールを入れる
これらの製品は、ろ過装置として使えるものです。この製品の中には、特殊なバクテリアや活性炭などが入っており、水中の有機物や不純物を除去します。また、見た目もおしゃれで水槽に彩りを添えます。
ただし、これらの製品も一時的な対策であり、定期的に交換する必要があります。
新しい魚や植物などを入れる前に隔離する
新しい魚や植物などには病気や寄生虫などが付いている可能性があります。
これらが水槽内に入ると、他の魚や植物に感染したり、水質を悪化させたりするため、新しい魚や植物などは別の容器で1~2週間隔離して観察します。
まとめ
水槽の白濁りは、水中の細菌や藻類が増えることで起こります。これは魚にとってストレスや病気の原因になります。
水槽の白濁りを防ぐには、水換えや適切なエサやり、ろ過装置の使用などが必要です。
また、活性炭や紫外線殺菌器などを使うと、水槽の透明度を高めることができます。
水槽の白濁りは、魚の健康と美しさに影響する重要な問題です。水槽の管理に気を付けて、快適な環境を作ってあげましょう。
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